なんとなく、トマト1ダース…という言葉に惹かれて跡部景吾についていった。

 連れてかれたのは、生徒会室だった。

 この時期、生徒総会があるかなんかで忙しいらしい。

 中ではいろんな人がばたばたしていた。


 「…生徒会室…ですか?」


 「そうだ。忙しいから邪魔すんなよ。」


 「だったら連れてこなければいいのに…」


 「邪魔はすんな。だけど手伝え。


 「…手伝えって…そんな無謀な…僕、氷帝のことまだあんまり理解していないんですけど?」


 「そんなこと関係ねぇ。」


 横暴な……

 生徒会室はいろんなものが置かれていたけれど、役員用の机が一人ひとつ用意されていた。

 なかなか、いい感じである。


 …で、その中におそらく誰も使っていないであろう机がひとつ。

 跡部景吾のものらしき机の横に置かれていた。

 なにか、いやな予感がしますね。


 「ここ、お前の席な。」


 「……?!


 問答無用で座らされた。

 跡部景吾が僕の前に置いたのは真新しいノートとペンだった。

 書記官でもしろというのでしょうか?

 書記なんて仕事は、女の人に頼みなさい。

 それに、もう、いるでしょう?書記官。


 「何ですか、これ。」


 「見てわからねぇのか?ノートとペンだよ。」


 そのとき生徒会室にいた何人かの生徒が噴出した。

 失礼ですね…


 「それはわかりますよ。そうじゃなくて、これで僕に何をしろと?」


 「生徒会丸秘の内容をそこにつづれ。」


 「日本語で?


 だったら、却下です。

 僕、いまだに漢字がよくわかりませんから。

 日常会話は祖父が日本人なおかげで、困らない程度にしゃべれますけどね。

 難しいですよ、漢字は。


 「馬鹿。日本語だったら別にお前なんか連れてくるかよ。」


 そうですね。


 「部活のときと同じようにつづれよ。あれでいい。」


 「あれでいいんですか?」


 「とりあえず、筆記体でな。盗まれたって解読するのが面倒になるだろ。」


 そんな、盗まれたらまずい内容を僕に記せと、そういうのですか。


 「英語ぐらい、あなたが記入しても差し支えないのでは?」


 「英語の知識はあるが、英語圏に住んでるやつにはかなわねぇよ。さすがに専門用語を辞書で引きながら書くのは面倒だ。」


 …跡部景吾らしいです。

 そういうところ。

 問答無用で僕に押し付ける…

 まあ、居候の身ですし、トマト1ダースに負けた僕も僕ですが。


 「で、具体的にどんなことをつづるんですか?」


 「…そうだな。うちの学校じゃ、結構水面下でいろんなことが起きてんだよ。表にはでないけどな。」


 「その内容を?」


 「まあ…な。その先は家で話してやるよ。そのノート持って帰れよ。それからそのノートに記入するときは、必ずそのペンを使え。」


 特殊インクだからな。

 そう、言われた。

 見た目はただのボールペンにしか見えないのに。


 「も大変だなぁ。」


 「ま、跡部に捕まったら逃げられねぇよな。」


 生徒会役員は気さくに話しかけてきた。

 氷帝の生徒って人数が多くて、よくわからなかったけど、なかなかいい人たちみたいだった。


 …とりあえず、これで、僕の仕事がひとつ増えたわけですね。


 なかなか…大変な仕事みたいです。


















































 「そんなことがあったんですか…」


 「ああ。」


 「はぁ……」


 「次な、裏口入学。


 「………そんなことあるんですか。」


 「これでも結構潰したほうなんだよ。今は…二人…かな。どっちも成績はよくない。」



 聞けば聞くほど、私立の学校は大変なんだなぁと思う今日この頃だった。




















































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 生徒会へ。
 トマトの誘惑にはかなわない、でした!(爆)
 トマト好きなのは管理人ですがねww
 ことごとく管理人の趣味、好みを反映したサイトだなぁ…ww
































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