に、魔法をかけてみた。

 でも、魔法がきくまでには少し時間がかかるみたいだった。

 いつものとおり、二人でベッドに入って寝た。

 は大きなあくびをして、僕の頬を二回なめてから目をつぶった。


















































 …俺が目覚めたとき、なんとなく体に違和感を覚えた。

 隣に寝ているはすでに起きて紅茶を飲んでいた。

 俺が起きたのに気がつくと、不思議な顔をして俺を見つめてから、笑顔でおはようといってくれた。

 俺も


 「…おはよ、。」


 と、返事をした。


 ……返事をした?

 おかしいな。

 確かに毎日声をかけられると、俺はに挨拶代わりにいつも低くうなるけど……今日は…??

 自分の体を見たら、と同じ手があって、足もあった。

 普段ぐちゃぐちゃになる鬣は、より長い髪の毛になっていて、やっぱりぐちゃぐちゃだった。


 「人間の姿になっても、の寝癖は変わらないんだ。」


 クスクス微笑んでる



 ……さては、何かしたな?



 「はい、こっちおいで。髪の毛梳かしてあげるよ。」


 「…何したんだ?」


 「ちょっと魔法かけただけ。大丈夫、今日の夜にはいつもの姿に戻るから。」


 ぬっと布団から起きた。

 おぉ!二足歩行ができる。

 これは楽しい。


 髪はバサバサして邪魔だったけど、なんか、よりも背が高かった。


 「やだなあ、人間になるとにまで身長抜かされるんだ、僕。」


 ニコニコ笑って、俺に鏡を見せてくれた。

 が着ているパジャマと同じので少しサイズの大きいのを着た、人間になった俺の姿が映っていた。

 ちょっと、笑えた。

 赤い髪に金色の瞳。

 髪の毛はばさばさだったけど…

 が綺麗に梳かして結んでくれたらあまり邪魔にならなくなった。


 「ってそうしてると美人。」


 クスってが笑った。


 「……俺はうれしくないんだけど?」


 人間に通じる言葉で話せるのは、と今以上に親交を深められそうでちょっとうれしい。


 「はい、これ着るといいよ。」


 ホグワーツの制服を取り出した。

 が少し魔法でサイズを大きくしてくれたおかげでぴったりのサイズになっていた。







 俺が着替え終わったころに、が起きた。

 ……そんで、と一緒に黒髪、黒目の男の子も起きた。


 よりも小さくて、可愛かった。


 「や、おはよう、にニト。」


 「おはよう、……ああ、そういえば、ニトに魔法をかけたんだっけ……ニト、おいで、着替えさせてあげるから。」


 「…なんで、ぼく…とおんなじ姿?」


 「明日にはいつもの姿に戻るよ。」


 驚かないが笑えた。

 ニトはまだ子猫だと、いつかが言っていた気がする。だから、俺よりも子供の姿になったわけか。


 「……この体…少し面倒だな。」


 「ん〜…まあ、今日だけだから。」


 はい、と、は俺にミルクをくれた。

 カップに入ったミルクを飲む。カップをつかむのに一苦労だった。

 ニトも着替えが終わってこっちにやってきた。

 俺の姿を見ると、にかっと笑って俺のひざによじ登ってきた。


 「なになに?あ、、ミルク飲んでる。ぼくも〜…」


 がニトにも少し小さめのカップに入ったミルクを渡した。

 んくんく…って、一生懸命飲んでるニトが可愛かった。


 「いい兄弟に見えるよ、とニト。」


 「髪と目の色が違うけどな。」


 「いいんじゃない。そういう兄弟もいると思うし。」


 「そうか……このまま外に出たらどうなると思う?」


 「どうだろう…みんな驚くんじゃないかな。あ、でも、もニトも、顔の整った美人だから有名になっちゃうかも。」


 「…そうすると後で困るな。」


 俺たちを無視して会話が進んでいる……


 「〜〜…あそぼ?あそぼ?」


 ニトの無邪気な目。

 いつもの姿のときは、なんとなくしか言っていることがわからないから、こうやって言葉が通じるのはなかなかいいことだと思う。

 よっと、ひざの上のニトを持ち上げた。


 「わ〜たかいたかい。に抱っこしてもらうよりたかい〜…」


 ちょっと興奮気味。

 なんとなく、おろせない状況になってしまった。


 「わあ、ニト、楽しそうだね。」


 の笑顔。

 こうやって同じくらいの目線で見ると、いつもより綺麗に見える。

 だって綺麗な顔してる。


 「…わ〜…あ、でも、の尻尾がない…」


 しゅんとなったニト。ニトだって尻尾はない。


 「ニトの尻尾もない。」


 「あ?!ホントだ…あ〜…にもらったリボンが…」


 ますますしゅんとなった。

 面白かったからほっぺたを突っついたらやり返された。


 「…ニト、にもらったリボンと、僕の首輪なら腕についているだろう?」


 が指摘した。

 今にも泣き出しそうな顔のニトが、自分の両腕を見て笑顔に戻った。

 にかっと笑うニトは無邪気で可愛い。


 「…のピアスは、左耳についてるね。」


 そういわれて手で触ってみたらあった。にもらったピアス。

 そっとニトを下に下ろした。

 今度はニトはのほうに行ってしきりにのローブを引っ張ってた。


 「ね〜…遊んで〜…」


 ちょっと待って。

 そういっては何かを取り出した。

 も何かを取り出した。

 先のほうにぼんぼんのついたやつだった。


 パタパタとニトと俺の前でそれを振る。

 ニトの目が輝いて、それをつかもうと必死になっていた。……所詮猫か。



 …俺の体もうずうずしてた。


 「…ん〜…」


 「あれ、。飛び掛ってこないの?」


 「…だってこの姿じゃ…」


 「そう?じゃあおしまい。」


 「あっ…


 ちょっとやせ我慢してみたけど、があれをしまおうとしてるのを見てやっぱり飛び掛ってしまった。


 「なんだ、やっぱりやりたいんじゃない。」


 くすくす笑われた。

 俺の頬もちょっと赤くなったんじゃないかな。


 「ほら。」


 ぱたぱたぱたぱた……

 俺の顔がその動きを追う。

 手が出る。

 人間の手はいつもの手より捕まえやすかった。


 「あ〜…捕まえられちゃった……」


 と、が言った。

 ニトもやっとのぱたぱたを捕まえたみたいだった。


 「はい、おしまい。」


 「あ…もっと、もっと。」


 「やだ。」


 「む〜…いじわる。」


 ふくれっつらした。


 なんとなく床に座っていた俺にが椅子を勧めてくれた。

 座りにくかったけど、とりあえず座った。

 俺が座ると、必ずニトがそのひざに乗ってくる。


 ニトは…まだ、無邪気な子供だから可愛い。


 「…魔法かけて正解だったかな。」


 「ニトがここまで無邪気なやつだとは思っていなかったけどな。」


 「ニトはまだ子供だもん。無邪気なはずだよ。」


 「その点、はおとなしいな。」


 「そうだね。もっと活発なのかと思ってた。」


 二人でくすくすと笑ってる。

 俺たちを見て笑ってる。

 顔が赤くなった。


 「あ〜…の顔赤い〜…」


 ニトがきゃっきゃっと笑った。


 「たまにはいいかもね。こうやってみんなで会話するのも。」


 「ニトやのことがよくわかるからな。」


 「ちょっと楽しいし。」


 「ああ。」





 くすくすくすくすと…笑い声が響く、休日の朝だった。


















































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 番外編。擬人化してみよう、とニトを。(爆)
 どうですかね?w
 ニトとのペアもいいと思ってるんだよなぁ…(爆)



















































 


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