Dear 




 元気かい、。ドラコ・マルフォイだ。

 夏休みはどんな風に過ごしてたんだい。

 の家でパーティーがあったみたいだね。

 あいにく、僕の家族は都合が悪くて参加できなかったのだけれど。

 君の夏休みが充実したものである…と、祈っているよ。

 さて、本題だ。

 ホグワーツの新しい教科書リストは受け取ったかい?

 僕は水曜日に父とダイアゴン横丁に買いに行くことにしているんだが、

 もし、の都合が良いなら、そのときに会いたい。

 父上に君の話をしたら、とても興味を持っていてね。ぜひ我が家に招待したいといっているんだ。

 今度の水曜日、ダイアゴン横丁であった後、ホグワーツに行くまで僕の家で過ごさないかい?

 と話もしたいし、父や母にも紹介したい。

 どうだろう。

 それでは、返事を待っているよ。

                      ドラコ・マルフォイ



















































 ワシミミズクが持ってきた手紙はドラコからのものだった。

 ドラコらしい字体で書かれていた手紙に笑った。

 それに、水曜日といったらハリーたちと会う日じゃないか。

 運命的…とでも言うのだろうか。




 とりあえず、ドラコの家に行くのが吉か凶か、水晶玉で占ってみた。

 そうしたら、不思議な結果になって驚いた。

 水晶玉に映ったのは、衛星のひとつ。

 これはまだマグルが発見していない隠れた衛星で、その見た目から、星見は『秘密』を連想する。

 …つまり、ドラコの家には秘密があるってこと。

 それから、転じて、ドラコの家で僕が何らかの秘密を知るってこと。


 行くか行かないか、それは僕の自由だ。

 でもさ、秘密って聞くと、ちょっと知りたくなると思わない?






























 「…母上、ホグワーツの友人、ミスター ドラコ・マルフォイから招待状が届いたのですが。」


 「あら、ミスター・マルフォイのご子息から?」


 「ええ。今週の水曜日に彼もダイアゴン横丁に買い物に来るらしいのです。そのときに会って、それからホグワーツに行くまでの間彼の家に滞在しないかと…」


 「まあ、ご迷惑じゃないかしら。」


 「…………」


 「でも、せっかくミスター・マルフォイが誘ってくれているんですから……」


 母上は水晶玉を覗き込む。

 母上にも見えたのだろうか。『秘密』を意味する衛星が。


 「いってらっしゃいな、。あなたには秘密を知る権利があるわ。」


 にこっと微笑まれた。

 やっぱり、見えたんだ…と、思う。


 「それではホグワーツにいくための準備をしなくてはなりませんね。水曜日までに。」


 「そうね。忙しくなるわ。一人でできるかしら?」


 「はい、大丈夫です。」


 「そう。それじゃあ私は水曜日までに仕事を片付けてしまうわ。」



 わかりました。

 うなずいて、僕は部屋を後にした。










 ドラコの家か。

 やっぱり、の家同様豪華なんだろうと思う。

 ドラコの両親も、母上のお客様としてよく我が家を訪れる。

 興味があった。


 も興味があるらしくて、しきりに手紙を覗いていた。文字、読めないのにね。

 だから、教えてあげたんだ。

 ドラコの家に行くよ、って。

 そうしたら、首を傾げてから、僕の顔をぺろぺろなめた。

 くすぐったくて声を上げて笑った。














































 夏休みは、宿題に追われたわけでもなく、なかなか楽しい日々だった。

 の家のパーティーはすばらしかったし、母上は進学のお祝いに僕に新しい本を何冊も買ってくれた。

 水曜日にはハリーやロン、ハーマイオニーに会うことができる。

 水曜日から後はドラコの家にお世話になって、何か危険なにおいのする『秘密』を知ってしまうことになるんだろうし…

 楽しい。


 今年もホグワーツは楽しくなりそうだ、と、一人微笑んだ。


















































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 ドラコのお誘い。ドラコって手紙でも威張っているような気がするんだ。
 まあ、両親の前では従順な分、発散してるのかも。
 夏休み編、どうでしょうか?(汗)


























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