夏休みになって、が宿題をすべて終わらせたころ。

 の家から若いふくろうが手紙を持ってやってきた。

 の家でパーティーがあるらしい。それも3日間も。

 イリアに話したら、快く了承してくれたので、俺とは荷物を持っての家に来た。



 …なんていうか…広い。

 イリアの家は使用人とか、屋敷僕妖精とかを雇っていないから、清楚で静かだけど、

 の家はいろんな人がいてにぎわってた。すごい生気あふれる生活。

 こんな中にいて疲れないのだろうか、って思ったけど、なかなか楽しそうだった。



 「やあ、来てくれてうれしいよ、。」


 「久しぶりだね、。」


 「も、元気だったかい?」


 「ん?ああ。」


 あんまり騒がれたくないので、俺は人の姿をしてこっちにやってきた。

 はニトをつれていたんだけど、ニトは俺の姿を見るなり飛び掛ってきた。だから、抱いてやった。


 「ご両親は?」


 「今夜帰ってくる予定なんだ。夕食のころには兄上も姉上も帰宅するといっていたから、みんな集まるよ。」


 の顔が幸せそうだった。


 「にぎわいそうだねぇ。」


 「ああ。毎年恒例なんだ。夏休みのパーティーは。いろんな魔法使いや魔女たちが集まるからそれはそれは楽しいよ。」


 それから、壁に宝石のちりばめられた廊下を進んでいって、ひとつの扉の前で止まった。


 「ここ、の部屋ね。隣は僕の部屋だから。何かあったら訪ねておいでよ。たぶん僕も何かあるときはお邪魔するだろうし。」


 とりあえず、荷物おいてゆっくりしてて、とは言った。

 俺とが部屋に残された。


 「……広いねぇ、。それに綺麗だ。」


 の家のの部屋はベッドと机と、それからたくさんの本棚。ふくろうが止まる止まり木と、最近は水晶玉とか占いの道具が増えたけど…

 それだけ。

 案内された部屋は綺麗だった。

 どう見たっての部屋よりも物であふれてる。

 ふかふかしたベッドに、ソファー。それからたくさんの家具。どれも高級品だ。

 天井には小さなシャンデリア。

 なかなかおしゃれだ。


 「なんか、の家ってすごい綺麗…」


 「…そりゃ、家といえば魔法界の名門一家だからな。」


 「そうなんだ…」


 「というよりも、の家が清楚すぎるんだよ。」


 「そうかな?」


 も笑顔だった。










 とりあえず、魔法使いが集まるパーティーということだったから、はパーティー用ローブを持っていた。

 今はまだ着てないけどね。

 イリアが丁寧に作ってくれたやつで、俺にも作ってくれた。

 優しい。

 荷物を整理し終えたときくらいに、がやってきた。

 兄と姉が帰宅したから、挨拶しに行こうということだった。

 人の姿に戻るのが面倒だった俺は、いつもの獅子の姿での後についた。

 やっぱり、この姿のほうがいい。





 のお兄さんとお姉さんは…綺麗だった。

 お兄さんはに似てて、茶色い髪の毛に茶色い目。背が高くてすらっとしてた。

 お姉さんは金髪碧眼の美女だった。どことなくに似てた。


 「…………」


 でも、しばらく二人とも何にも言わなかった。

 と俺を見る。


 「………あなた、こんな可愛い恋人を見つけたの?」


 「隅に置けないな。」


 …………………

 と俺が顔を見合わせた。心の中では噴出しそうだった。

 おそらく、この二人はという女の子をつれてきたと思っているわけだ。

 俺はおまけ。ちょっと珍しいペット…とでも思っているんじゃないかな。



 「…兄上、姉上、何を言っているんですか。は男の子ですよ。ホグワーツでの僕のルームメイトです。」


 「おや。」


 「あら、ごめんなさい。とっても可愛かったものだから。」


 二人が笑った。


 「はじめまして、といいます。」


 「はじめまして、の兄のセルヴィア・だ。」


 「姉のフィリア・よ。」


 が二人と握手を交わす。

 セルヴィアは紳士的だったし、フィリアはすごい礼儀正しい。


 「もうじき父も母も帰ってくると思うけれど、ゆっくりするといい。家は君を歓迎しよう。」


 ありがとうございます、そうが微笑んだ。

 もすごいうれしそうだった。




 「兄上や姉上が人を歓迎するなんて滅多にないことだからね。」


 に向かってそういっているのが聞こえた。

 聞けば二人とも有名な魔法使いなんだそうだ。なかなか魔力も強いらしくて、多忙らしい。

 夏休みのパーティーくらいしかみんなが顔を合わせるときがないくらいだ、と、が寂しげに言っていたのを覚えている。

 だから、この三日間はすごくうれしいんだそうだ。




































 夕食の時間くらいにはの両親が帰ってきてやっぱり挨拶した。

 のお母さんは美人だし綺麗だった。フィリアにそっくりの金髪碧眼だった。

 洋風のドレスを身に着けているあたり、お金持ちだと察しがつく。

 お父さんはちょっと厳格そうだったけど、礼儀正しくて、やっぱりを歓迎してくれた。

























 ソフトドリンク片手に、パーティー会場の大広間でくつろぐ。

 もちろん、俺は人の姿になってる。

 もちゃんとパーティー用ローブを着てる。


 「すごいパーティー…」


 「…この辺の家ではこれくらいが普通なんじゃないかな。」


 「へぇ…」


 「パーティーに参加したことないのか?」


 「ううん。母上と一緒にいくつかのパーティーに招待されたことはあるよ。でもそのときは自宅でやってたわけじゃなかったから。」


 「へぇ…」


 「自宅でこれだけの人を集めてパーティーができるなんてすごいなぁって思ったの。」


 二人とも終始笑顔。

 俺はなぜかニトのお守り。

 でも、二人が楽しそうだから、いいや。




 「今度は、うちに招待するよ。の家みたいに豪華じゃないけどさ…」


 「ありがとう。」

















































































 の家にはじめて足を踏み入れて、我が家とまったく違うのにも驚いた。

 でも、がすごい幸せそうで、僕も笑顔になった。

 のお父上もお母上もすごくいい人だったし、兄上のセルヴィアさんも、姉上のフィリアさんも素敵な方だった。


 翌日は、の家族と僕で、すごく有名な劇団の劇を見に行った。

 もう、お金の使い方が半端じゃない。

 特等席…つまりは一番値段が高い席。

 そこに全員が座って劇を鑑賞する。一般席でもすごい高いって言われている劇団の特等席だって。

 すごい得した気分。


 夜はやっぱりみんなが集まるパーティーで。

 まだお酒は飲めないからソフトドリンクで乾杯して、いろんな人と交流した。

 みんな魔法界のトップの人たちばかりで、目が回った。



 こういう生活してるってすごいなぁって思う。






 「宿題はもう終わってるんだろう?」


 「うん。あれくらいだったらそんなに難しくもないしさ。」


 「そうだな。それなら明日は図書館に行かないかい?すごくたくさん本があるんだ。」


 「へぇ……それは楽しそうだ。」


 「どうせ二年生になったらまた面倒なことをいろいろと覚えさせられると思うんだ。だから、先にいろいろな本を見ておくのも良いかと思うんだ。」


 「そうだね。」


 「…どうせだったら、地下に実験室もあるから、何か試しに作ってもいいし。」


 「……楽しそう。




 夜は少し夜更かしして、といろんな本を見た。

 呪いとか、禁断の魔術とかの本で怪しげなにおいがしてたけど、そこがまた良い。

 別に使うわけじゃなくって、魔法使いって感じがするような…本だった。























 みたいな友達ができてすごいよかったなって思った。




















































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 夏休み編。第一話。のおうちでお泊まり会(爆)
 はお金持ちさ。名門だし。
 が大好きなのですw
 を親友だと思ってるしw






































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