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「…ねぇ、聞いてくれる…?」
長い休暇の間、自宅に帰っていたは、休暇が終わってホグワーツに帰ってくるなり僕にそういった。
休暇の間、僕は退屈だった。
休暇といっても夏休みやクリスマス休暇ほど長くもないので、ホグワーツに残っている生徒は多かったが、話の合うやつはいなかった。
おまけに、がいないのをいいことに女子が群がる。
僕の不満はたまっていた。
「…何かあったの?」
読みかけの本を閉じて、僕は聞いた。
僕もこの休暇で見つけたたくさんの情報を彼女に教えてあげたかったけれど、彼女の雰囲気はそういう感じではなかった。
今までは特に気に留めていない存在だったから気づかなかったのかもしれないけれど、休暇が終わって実家から帰ってくる彼女はいつも疲れた表情をしているらしい。
休暇で実家に帰る前に僕に言った、「私、きっと疲れて帰ってくるからよろしくね。」という言葉で彼女自身、それを認めていた。
「うん……普通は人に話さないんだけどね……」
ヴォルならいいかな…と、言って彼女は笑った。
「家に帰ったら滅多に家にいない義父と義母がいてね、それから義弟もいたのよ。」
「…君の
両親
と、
弟
?」
「…
義理
の…ね。私、養女なの。」
初耳だった。
「まだ魔法の力が目覚めていない幼いときに引き取られたんだけど……あの人たち、私のことを純粋なマグルと思っていたらしくて……魔法使いだって知ったら手のひら返した態度になったわ。」
今回だって…と、彼女はそこで言葉を切った。
「…なんで帰宅させたかなんて………私、帰らなければよかったなぁ……」
「何があったの?」
彼女の生活に少し興味を持った。
僕と同じじゃないか。住んでる環境は違うにしても。
マグルの中に埋もれてつらい生活を強いられている。
彼女の両親が早くに亡くなったことは知っていたけれど、まさかマグルに引き取られているなんて思いもしなかった。
「義弟…は、マグルなんだけど、マグルの学校でトップの成績をとってるんですって。私があなたに勝てないから…散々しかられたわ。」
彼女は笑っていたけれど、その表情は悲しげだった。
「…ヴォルと一緒に残ってればよかったなぁ……」
「……そうだね。マグルの生活に戻る必要なんて無かったんじゃない?」
「そうよね……疲れたのよ。私、引き取られてるはずなのに、なぜか召使扱いですものね……」
何気なく、机の上に置いた彼女の手を見てみたら、荒れていた。
冷たい水仕事をやり続けたのであろうか、皸ができていて痛そうだった。
「………」
僕の視線の先に何があるのか、彼女は気づいて、恥ずかしそうに手を引っ込めた。
「…なんか、痛々しげなんだけど。」
「仕方ないわよ。むこうでは魔法が使えないもの…というより、こっちの言葉は使えないわ。魔法…とか、杖…とか言ったりしたら何をされるかわからないのよ。」
向かい合って座っていたのだけれども、なんとなく僕は彼女の隣に移動した。
「めずらしいじゃない。あなたが私の隣に座るなんて。」
「…なんとなく。」
軽く肩が触れ合うくらいの位置。
僕の肩に彼女がもたれてきた。
「ねぇ、ヴォル……あなたはこの休みに何か見つけられたかしら?」
目を閉じてそういった。
「ああ。とっても素敵なものを見つけたよ。……確かめるには君に協力してもらわないといけないけれど。」
「そう……」
疲れているのだろう、彼女の声は眠たげだった。
「マグルなんか…消えちゃえばいいのにな……」
いや、違うかも…と、彼女が笑った。
「あの家に戻りたくないだけなのかもしれないわ。」
「もう少し…もう少しだよ。」
「…そうね。」
「僕についてくるんだろう?」
「ええ。」
「なら、何も心配要らないよ。」
そっと、彼女の額に口付けた。
それから、軽く彼女の唇に僕の唇で触れた。
くすぐったそうに笑ってから、彼女が腕に抱きついてきたのには驚いた。普段、自分から人に何かをするって言う人ではないから。
「…ヴォルって時々おかしいわ。」
「………」
「…ねぇ……」
一緒にいてね…
そういって彼女は目を閉じて眠る体制にはいった。
「当たり前じゃないか。」
そうつぶやいて、すでに寝てしまっているの顔にまとわりつく長い髪を手で梳いた。
どこからか現れたがのひざの上に乗った…………
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
の家庭事情を明かしたかった(爆)
がマグルを嫌いになったのには原因があるんですよ(笑)
それが書きたかっただけ(爆)
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