立ち入り禁止の棚ならば、闇の魔術やサラザール・スリザリンに関する情報がたくさんあると思う。

 でも、しがない生徒である私がその場に足を踏み入れることを許可されるはずもなく。


 仕方がないから、参考書を探すふりをして少しでも闇に関係がありそうな本を探して歩く。











 「…不思議な本を見つけたね。」








 手にしていた本をいつも座る角の席に持っていったら、そこには当然のようにリドルが座っていた。


 「……不思議でしょう?何も書いていない本。本棚の奥に埋もれていたのよ。」


 何も描かれていない表紙を開けて…中はやはり真っ白な紙。

 普通の生徒が見れば、ただのノートにしか見えないのだろうが、あいにく私たちは普通の生徒じゃなかった。


 「魔法かけてみようか…」


 「…ここではだめよ。ほかの生徒や先生に気づかれるわ。」


 杖を取り出したリドルを笑顔で制すと、私はその本を借りた。

 ほかの本の間に挟んで借りたら、気づかれずに借りることができた。



 「行こうか。」


 最近はそれとなく一緒に居る時間が増えて、周りの生徒が近づかなくなってきた。

 それは私やリドルにとって好都合だった。





 ひとたび、図書室を出れば、ひそひそとささやき声。

 それはリドルの取り巻きから、私に対する批判や罵声であったり、私の取り巻きからリドルに対する批判であったり。

 でもそんな声、耳に入らないほど、私は興奮していた。

 たとえ闇の魔術に関する本じゃないとしても、この本は何か重要なことが書いてあるはずなのだ。


 気づかれないように急ぎ足になって、私たちはいつもの隠し部屋へと向かった。


















































 「……いくよ?」


 「ええ、どうぞ。」



 最初は普通の魔法をかけてみる。ただ内容が消えかかっている本ならばこの呪文でよみがえるのだ。



 「…君の読みは当たってたみたいだよ。これは普通の本じゃない。普通の魔法をかけても見えないもの。」


 「やっぱりね。それだけ色の変わった古い本なんて滅多にないもの。」



 今度は闇の呪文が部屋の中に渦を巻く。

 リドルの闇の力は強力すぎて、傍にいる私が身の毛がよだつ。

 それがいいんだけれども。

 私だって闇の魔力が使えるわ。でも、本質的にリドルほど強い力を持っていない。

 だから、彼のもつ力に魅力を感じるの。






 「…でてきたよ。……まあ、闇の魔術に関する内容じゃあなかったけどね。」




 少し残念な声でリドルが言った。

 確かに本に文字が浮かび上がっていた。それは、古代文字だったけれど。


 「…随分厳重なのね。闇の魔術でしか明かせない本で、しかも古代文字で記入されているなんて。」


 「解読するのに二、三日かかりそうだね。これだけの量があると……」


 確かに分厚い本だ。

 きっと何か重要なことが書いてある。そうおもうとどきどきした。



 「…いいわ、私が解読しておくわ。」


 「そう?結構大変だけど?」


 「あなたと成績はそんなに変わらないはずよ、私。それに古代文字にも興味あるし。」


 「そう、じゃあ頼むよ。」




 分厚い本を受け取って…その本は閉じてしまったが…少し疲れたので、休むことにした。

 自分の部屋から少しずつ荷物をこの部屋に移動させてきた。

 最初は殺風景な部屋だったけれど、クッションとかを運んできたら、なかなか居心地のいい場所になった。


 「…なんで、僕のひざに頭を乗っけて寝るのかな?普通は逆じゃない?」


 「……だって、眠いんですもの。あなたの魔力は強力すぎるのよ。隣に居る私の魔力まで吸い取っていくんですもの。」


 「………」


 「だから、少し寝かしてちょうだいな。」


 「…………」


 「どうせあなたはこれから研究するんでしょう?私がここにこうしていても邪魔にはならないわよ。」



 くすくすっていたずらっぽく笑って私は目を閉じた。

 リドルは呆れて私を見つめていたけれど、その後、いつも闇について研究しているノートと何冊かの参考書を取り出して、研究を始めた。



















































 夢のお告げはこういった。


 『永遠に…闇に沈むことになろうとも…おぬしはそれを望むのか…』




















































 …それでいいかなって思ってた。


 永遠に闇に沈むことになっても…私は、自分がしたいことをすればいい……

 一緒にいたい人と一緒に居て、やりたいことをやる。





















































 「…、そろそろおきないと、夕食の時間に間に合わなくなるよ。」

































 リドルの優しい声。

 あと少し…

 私の意識が起きるまで…あと少し…
























































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 何が書きたかったのかよくわからない(爆)
 でも、この二人ってこうやって何か研究していそうだなぁと……
 次はどんな話にしようかな(爆)



























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