Dear 




 こんにちは。ハーマイオニー・グレンジャーです。

 ちょっと気になることがあったからお手紙しました。


 、あなたは今日のクディッチの試合を見たかしら?

 ええと…観客席に見当たらなかったから見てなかったのかもしれないわね。

 途中でね、ハリーが箒から振り落とされそうになったのよ。

 ハリーの箒が暴走して…

 それで、私、見たの。

 スネイプがハリーを瞬きもせずにじっとハリーを見つめて何か呪文を唱えてるのを。

 …これって、呪いをかけるときの手法よね。本で読んだことがあるわ。


 今はハグリッドの小屋で熱い紅茶を入れてもらっているところなんだけど……

 どうしても気になったのよ。




 ハグリッドはスネイプじゃないって言うの。

 断固としてスネイプじゃないって…でも、私見たのよ。

 それにね、あの三頭犬の名前はフラッフィーって言うんですって。

 そのフラッフィーが守っているものは、ダンブルドアとニコラス・フラメルって人が関わっているものなんですって。

 …ハグリッドが口を滑らせたからわかったんですけど……


 ねえ、

 あなたはどう思う?

 あまりこういうことにあなたを巻き込みたくはないのだけど…

 は頭もいいし、いろんなことを知っているから何か知っているんじゃないかと思うの。

 もし、何か知っていたら教えてほしいの……協力してくれないかしら?






                           ハーマイオニー・グレンジャー






























 「…ニコラス・フラメル…か。」


 「? ニコラス・フラメルがどうかしたか?」


 「ん?ああ、いや。ニコラス・フラメルのことを知らない人がいるんだなぁと思っただけだよ。」


 「そんな、教養のない子がいるのかい?」


 「…確かに、ニコラス・フラメルはもう随分長生きしている人だからね。滅多に姿を見せないし……今の子が知らないのも当然なんじゃないかな。」


 「…それにしたって……」



 は呆れたため息をついていた。

 まあ、僕もも魔法使いの家柄だから、ニコラス・フラメルに関することはいろいろ知っている。

 僕の家には本を置くための部屋が五つあって、その部屋すべてに魔法に関するありとあらゆる本があるから、僕はその本の中で知った。

 …母上が本をよく読むから、もう六つ目の部屋が書室になろうとしている……


 も実家にはいろいろな本があるといっていた。やっぱり僕と同じように本でニコラス・フラメルのことを知ったんだそうだ。









 「…賢者の石…か。」






 僕は深いため息をついた。


 …賢者の石を狙っているという時点で、ハリーを狙っている人が誰だか、容易に想像ができる。

 僕の中にはその人に会っちゃいけないという気持ちもある。

 でも、それ以上に会いたいという気持ちがある。


 ……本当は会っちゃいけない。


 もし会ったとしても、今は…僕も、あの人も傷つくだけだから。











 でもそのうち、僕があの人に会うのは時間の問題だろうな…っていう予感がしてきたから…少し緊張した日々になった。


 きっと受け止めなくちゃいけない現実なんだろうなって…そう考え始めた。


















































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 ハーマイオニーは手紙でも饒舌だと思う……
 長いね。手紙の文章が。
 こんなに秘密を手紙に残しちゃっていいのかなぁって思うけど…まあ、いいでしょう(爆)






















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