(血みどろ男爵と平気で会話してるよ。)
(それより、早くグリフィンドール寮に戻らなくちゃ。)
ささやき声が聞こえていた。
「…ね、教師に見つからないように寮まで案内してくれないかな?」
「……の頼みなら仕方ないな。」
…了承するのか…
そりゃ普段からと一緒に寮を抜け出して血みどろ男爵を初め、肖像画の美しい娘たちと会話を楽しんでいるだけど。
血みどろ男爵が見た目よりも優しいってことを再確認させられたよ。
「行こう。」
誰も来ないことを確認してハリーを先頭にグリフィンドール寮に向かってみんなが進み始めた……
が、
すぐに近くの教室からピーブスが飛び出してきた。
「真夜中にふらふらしているのかい?一年生ちゃん。ちっちっちっ、悪い子、悪い子、つかまるぞ。」
はやし立てる声。
いやな声。
ぐるぐるぐるぐる俺ののどが鳴った。不満が表に表れてしまった。
「……あ、ち、血みどろ男爵……」
幸い、の隣にいた血みどろ男爵に恐れをなしたピーブスは俺たちを通してくれたけれど、俺たちが通るとすぐに大声でフィルチを呼びやがった。
まったくいけ好かないやつだ。
とりあえず走って、ハーマイオニーが魔法で鍵を開けた教室の中に入った。
……なんか、いやなにおいがするなぁ……
嗅覚が優れているからかもしれないけれど、鼻を突くようなにおい。
動物のにおい。
「…、できるだけ、ドアの傍に行って。ここは…」
も気づいたみたい。
それから、ハリーとほかのやつらも気づいた。
教室に入ってきたわけじゃなくて、四階の禁じられた廊下に入ってしまったってこと。
頭が三つの大きな犬。
俺たちを襲ってくる。
扉を開けて……一斉に駆け出した。
運よくフィルチの姿はなくて…たどり着いた先はグリフィンドール寮だった。
「それじゃ、僕は自分の寮に帰るからね。」
みんなに笑顔で手を振って(なぜかだけは服が乱れていなかった)は血みどろ男爵と俺を連れて寮に戻っていった。
のこりのやつらは必死になって寮に入っていった。
よかったなぁ…見つからなくて……
「さ、これでいいだろう。これからは無茶なことはあまりしないほうが身のためだ。」
ふてくされて血みどろ男爵がに言った。
「ごめんなさい。でも、少し気にかかったんだ。彼らのことが。」
「…………」
「それじゃ、おやすみなさい。どうもありがとうございました。」
うむ、と、血みどろ男爵が返事をしてどこかへすーっと消えていった。
は微笑むと合言葉を唱えて部屋に入っていった。
その後で、散々にどやされたのだけど。
「ごめんってば、。」
「…本当に、は。」
「…そんなに怒らないでよ。」
「危険な目にあったんじゃないか!グリフィンドール生が寮を抜け出して減点されたとしても僕らにはなんら関係のないことなんだよ。」
「…でもねぇ…」
「もういいよ。早く寝よう。」
「ごめんね、起こしちゃって。」
「いいから。」
「はいはい。それじゃ、お休み。」
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真夜中のお散歩(爆)ちょっと今回は長いですね。
はネビルのときみたいに後悔したくないから、わざわざ寮を抜け出したんですよ。
でもなんか…ギャグになりきらない、シリアスになりきらない話だなぁ……(泣)