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マダム・ポンフリーの最終診察を終えて、とハリーは急いで大広間に向かった。
楽しみなんだろう、パーティーが。
大広間はスリザリンカラーで飾られていた。
スリザリンの蛇を描いた巨大な横断幕が、ハイテーブルの後ろの壁を覆っていた。
…そう、スリザリンが勝ったわけだ。
ハリーたちに加点しなかったのか?と、俺はダンブルドアをにらみつけようと思った。
でも、その場にダンブルドアはいなかった。
仕方がないから、席に着く。
「それじゃ、ハリー。人の目なんか気にしないで楽しみなよ。」
「うん。ホント、と寮が違うのがさみしいや。」
二人でそれぞれの寮のテーブルに座る。
…座るなり、は隣のやつに頭を
こつん
と、たたかれた。
「…痛いなぁ、
。」
「当たり前だ。君は本当に、どれだけ危ないことをしたら気が済むんだい?言っただろう。ほかの寮のやつらがどんな目にあおうと
僕たちには関係ない
って。」
「ん〜…まあ、僕
無事
だったし。」
「四日も医務室にお世話になっておいて無事って言うか?」
「それはマダム・ポンフリーが外に出してくれなかったからだよ。僕はいたって元気。」
にって笑ったに、は盛大な
ため息
をついた。
「…どうしようかと思ってたんだ。君がいなくなったら。」
「心配してくれたの?ありがとう。」
「大切なルームメイトだからな。心配しないでどうするんだ。」
「ありがと。」
にこにこと、笑ったの笑顔。
「もしかして、も一緒に行きたかった?」
「…危険なことに首を突っ込むのはやめておきたいね…ああ、でも…少し見てみたいという気もしたかな。」
「じゃ、
次
は一緒に行こうか?」
また、のため息が聞こえた。
「次が
ないことを祈るよ。
………あ、校長だ。」
「…相変わらず、不思議な服着てるよね、あの校長。」
「ホント。こういうパーティーの席にあんな
きらきらした衣装
着てこなくてもいいとおもうんだけど。」
「ま、服なんて
本人の趣味
だから言っちゃいけないけどね。」
二人の笑い声が響いた。
「よし、よし、スリザリン。よくやった。しかし、つい最近の出来事も勘定に入れなくてはなるまいて。」
部屋全体がシーンとなった。
スリザリン寮生の笑い声が少し消えた。
一体誰が加点してもらえるんだろう。
そんな気持ちでいっぱいだった。
「まず最初はロナウド・ウィーズリー君。」
ロンの顔が真っ赤になった。
「ここ何年か、ホグワーツで見ることができなかったような、最高のチェスゲームを見せてくれたことを称え、グリフィンドールに五十点与える。」
グリフィンドールの完成は、魔法をかけられた天井を吹き飛ばしかねないくらい。
もちろん、
私も叫んだわ。
これで、最下位じゃなくなった。
それに、加点してもらって当然だわ。ロンのチェスは
私でも
勝てないくらいすごいもの。
「次に…ハーマイオニー・グレンジャー嬢に。」
とくん…
胸がうずくのを感じた。
私?私が加点してもらえるの?
「火に囲まれながら、冷静な論理を用いて対処したことを称え、グリフィンドールに五十点を与える。」
………うれしかった。
うれしくって、涙が出てきちゃって。
腕に顔をうずめちゃった。
だって……加点してもらえた。寮を抜け出したことで
減点された点数を取り戻した
のよ。
それに…駆け込みで百点も繰り上がったわ。うれしい……
「三番目は、ハリー・ポッター君。」
部屋中が水を打ったようにシーンとなった。私の涙もうれし泣きも止まって、顔を上げて先生を見た。
「…その完璧な精神力と、並外れた勇気を称え、グリフィンドールに六十点を与える。」
………ちょっと待って。
幾つ?
一体点数は幾つ……
ええと…ロンに五十点、私に五十点、それにハリーに六十点……あっ!
「スリザリンと同点だわ!!」
思わず叫んでしまった。
そう、ぴったりスリザリンと同じ点数。
もう一点加点してくれればよかったのに。
私はそのとき、自分の寮のことしか考えてなかった。……ちょっと周りが見れなくなって浮かれてたわ。
その後、ネビルに十点加点されて…グリフィンドールが勝った。
スリザリンカラーの部屋が一瞬にしてグリフィンドールカラーになった。
私たちは歓声を上げて喜んだ。
でも……ハリーには引っかかることがあるみたいだった。
「…話しただろう。僕を助けてくれたのはだったって。何で、に加点されないの?」
「
いいじゃないか
、僕たちが勝ったんだから。」
「………」
ロンの考えにも
一理ある
とは思ったけれど、そうよね、おかしいわ。
がハリーを助けたんだったら…にも加点されなければならないはずよ。
胸がちょっといたんだ。
このまま寮杯を手にしていいのだろうかと…そう思ってしまった。
「どうして君には加点されなかったんだい?」
その日の夜、まだ興奮冷めやらぬ状態で、久しぶりに自分の部屋に戻ったにが聞いた。
「ん?…さあ、どうしてだろうね。」
にこにこと、は微笑んでいた。話す気はないらしい。
「…気になるな、その含み笑い。」
「そう?じゃあ、も来ればよかったのに。」
「…言っただろう。危険なことに首を突っ込むほど
馬鹿じゃない。
」
「……でもさ、危険なことって
楽しいよね。
」
「それは……
認めるけど
…」
成績が発表された。
ええと…ハーマイオニーがあれだけ勉強してるのに言うのはかわいそうだから、点数は言わないけど。
上々の成績だった。僕も、も。
パーティーの後はあっという間に時間が過ぎていって、僕たちはもうホグワーツ特急を降りるところになった。
「、ふくろう便を送るよ。君を我が家に招待したいと家族が言っているしね。」
「…ありがと。僕もお手紙書くよ。一年間ずっとと一緒にいたから、こうやって別々になるのがちょっと寂しいな。」
「……それじゃ。」
「うん。」
手を振って。
遠めに見えたの家族……いや、あれはの家の使用人だろう。
人の使用人を使っているなんて、珍しい家だ。
使用人たちと一緒にの姿が小さくなる。
「、ホグワーツはどうだったかしら?」
振り向いたら、普段と変わらない、笑顔の母がいた。
「母上…とっても楽しかったですよ。」
僕も笑顔で返事をした。
僕の左腕の腕輪と指輪に母は驚いた顔をしていた。
それから、マグルの世界に行くのに、獅子の姿では人目を引く、ということで人の姿になっていたを見て驚いた。
けれど、何かを悟ったみたいで、またすぐに笑顔になった。
「さ、帰りましょう。あら、背が伸びたのね。」
最初引きずるくらいだったローブはちょっと短くなっていた。
そして、汚れていた。
「来年も実りあるホグワーツだといいわね…」
それからに笑顔をむけた。
「には
兄弟
ができたのかしら?」
「
……気づいているんでしょう?
」
「
ええ、。
あなた、人の姿になっても
紅い髪の毛
なのね。」
にこにこと。
笑顔が絶えない。
夏休みはまた楽しくなりそうだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
おわったぁ!!(爆)
ちょっと長いけど、終わりました。
次は…何通かふくろう便をハリーたちとやり取りしてから
秘密の部屋本編に行こうと思っています!(笑)
ここまでお付き合いありがとうございました!
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