四階の…禁じられた廊下。

 ピーブスをうまく追い払って、こっそりと僕たち三人は中に入った。

 扉はきしみながら開いた。

 僕たちの姿はフラッフィーには見えないはずなんだけど…気配がわかるみたいで、僕たちのいるところを狂ったようにかぎまわっていた。

 ちょっと…怖い。


 でも、そんなこと言ってられなかった。

 僕にはしなくちゃいけないことがある。

 たとえ、退学になろうとも。

 ああ、そうだよ。



 ハグリッドにもらった横笛を吹いて、犬を眠らせた。


 ロンって意外に臆病なんだなと、思ったのはこのときだった。

 僕がちゃんと吹いているって言うのに、マントからでるときに念を押したんだから。


 「吹き続けてくれ。」


 って。


 僕が笛を吹き続けていたから、ロンが歯を食いしばって犬の足をまたぎ、屈んで仕掛け扉の引き手に手をかけた。





 「………なんだ、これ?」





 ロンはそういって、一度僕たちのほうに戻ってきた。

 時間がないって言ってるのに…


 ロンが手にしていたのは、羊皮紙の切れ端に紅いインクで書かれた文字。


 「…なになに……」


 ロンの声が響いて、なんか、フラッフィーがむずむず動き出したから、僕は少し音量を上げて笛を吹いていた。

 もちろん、ロンの声が聞こえるくらいの音量に調節はしたけどね。



 「…ハリー、ロン、ハーマイオニー。『賢者の石』を探しに行くんだね?この奥に何が待っていようとも……」



 ロンの声が途切れた。

 そのかわり、



















 ぼわんっ


















 って、白い煙が上がった。


 ロンが持っていたはずの羊皮紙は…いつの間にかの姿になっていて、紅い文字は…どうやらのペットの紅獅子だったみたい。



 「こういうことするときは、事前に連絡がほしかったなぁ?」


 いつもの笑顔で微笑んだの顔に、僕は少しだけ緊張が途切れて安心してしまった。



 「「!!!」」



 「シーッ、静かにしようね?二人とも。」



 笑顔のそういわれて、ロンとハーマイオニーの声の音量が下がった。


 「どうしてここにいるの?何してるの?」


 「それはまず、僕が聞きたいねぇ。」


 「だって…その、あの…」


 「ん〜…あ、ハリー、ちょっと苦しいけどそのまま吹き続けてね。すぐ終わるから。」 


 僕に笑顔で手を振ってくれた。


 「んとだね、ダンブルドア校長に話があったんだけれども、スネイプ教授に聞いたら、ダンブルドア校長はいらっしゃらない…というわけだよ。」


 それから彼は水晶玉を取り出した。


 「ほら、それで、これで占ったら君たちの姿とここの扉が現れた。何かが起こるなんてわかりきった話じゃないか。だからここにきた。」


 「……ってば……」


 「退学処分になるかもしれないんだよ?」


 「…その言葉、そっくり君たちに返すよ。」


 にんまり笑われた。


 「とりあえず、行くなら行こう。行かないなら行かなくてもいいし。」


 僕は、ハーマイオニーに笛を渡して扉を開けた。

 それから、みんなに忠告して飛び降りた。



















































 ハリーが飛び降りた。

 それから、俺とが飛び降りることになった。


 「…いくよ。」


 俺にそう声をかけた。


 「ハリーは軟着陸だって言ってたけど、気をつけてよ?」


 大丈夫さ、と、がロンに笑んだ。


 「っ…せーのっ!」


 飛び降りた。

 俺とと。






 落ちて…


 落ちて…



 途中で、


 「左だ!!」


 と、叫んだもんだから、俺は、俺よりも早く落ちていくのローブを加えて左に駆け上がった。



 …そこは、通路だった。

 下を覗いたらハリーたちがいた。

 それから、うようよ動く植物も。



 「…そうか…誰だってまっすぐに落ちるよな…普通なら。だからここにこんなのが……」


 がつぶやいていた。


 すぐ下からは


 「薪がないわ!!」



 なんて、間抜けな声が聞こえていたけれど…まあ、それはよしとしよう。


 「ハリーたちと別れちゃったね。でも、きっと……」


 いくよ、と、まだハリーたちを見ている俺に声をかけては奥へと進んでいった。





















































 なかなか。

 …なんていうか……



 ん〜……


 罠はない。

 危なくもない。

 でも…

 なんとなくじめじめしてる。



 「…おそらくここは、仕掛けなんだよ。」


 ?って顔をしたらが俺の背中をなでながら、歩くペースは落とさずに話してくれた。


 「さっきの左の部屋。普通は気づかないはずさ。ごく微量の魔力しか感じなかったからね。この部屋には罠はない。ただ……」


 が笑った。


 「目的地まで、遠回りなんだよね…」


 目の前の道はうねうねと波打っていた。


 一回、階段を下りたから、ちょうどハリーたちのいるところと壁で仕切られた状態なんだろうけど…

 道がうねうねしていて歩きにくい。

 の足音が響く。



 「…きっと…ダンブルドアが作った道なんだろう……」


 の声が響く。

 なんとなく不気味な場所だ。

 それにじめじめしていて気持ち悪い。

 俺の体が…ちょっと震えた。


 「大丈夫だよ、…たぶんこの扉を抜ければ……」



 急に、隣の部屋からどかんって音が響いた。

 なんだぁ、一体。


 「何だろう…?」


 目の前にあるのは扉。

 ひとつは前に進む扉で、もうひとつは隣の部屋とつながっている扉。


 「隣の部屋に行ってみる?」


 それとも進む?


 扉の前では考え込んだ。

 たぶん…これは俺のただの予想だけど……

 どっちか一方の扉しかくぐれないと思うんだ。

 だから、も悩んでるんじゃないかな……


 前に…すすもっか。


 がそういった。


 それで、前に進むための扉をくぐった。


















































 なんにも…なかった…


 って言ったらおかしいな。



 とりあえず、空になったビンが二つ。

 それから、空になってないビンが五つ。


 そういえば……




 「…さっきスネイプ教授に会いに行ったとき、しかめっ面してビンを二つくれたよね。確か……」


 『会うのか会わないのか…我輩には関係ないが…会うなら小瓶の中身を。会わないなら大瓶の中身を飲むといい。』


 がビンを取り出した。

 小瓶二つと大瓶二つ。

 中にはたっぷんたっぷんって液体が入っていた。


 なかなか、教授がくれるものだからきわどい…

 色とか…匂いとか。



 「じゃ、行くか。」


 笑顔で。

 小瓶の中身を俺に飲ませて、自分も飲んだ。

 それから、真っ黒い炎を潜り抜けた。






















































 その先に……


















 が…ここに来た本当の理由が…待っていた。







 ハリーたちを助けるわけじゃなくって


 もっと、本人に関係する……本当の理由。



















































〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 あ〜、クライマックス?(笑)
 最後のほう、ちょっと飛ばして書いちゃったけど…
 大丈夫かなぁ……(汗)














































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