クリスマス休暇になった。

 休暇に入る少し前に名簿が回ってきて、ホグワーツに残る人はその名簿に名を書いた。

 ハリーやロンが帰らない、というのをはマルフォイから聞いていた。マルフォイは散々ハリーをからかったけれど、ハリーは気にしていない様子だった。

 ハーマイオニーは荷物をまとめて家に帰った。

 休暇になる前に図書室でハーマイオニーに会ったら、ニコラス・フラメルのことをしきりに口にしていた。

 はのほほんと微笑んで、軽く返事をして手を振っていた。


 も、それからルームメイトのもクリスマスはホグワーツに残ることになった。

 は占いの結果が『今はまだ来た道を戻る時期ではない』とでたからだといっていた。

 一方、は、今年のクリスマスは家族がみんな忙しいので、帰っても面白くない、という理由で帰らなかった。


 はどこから仕入れたのか、大量のキャンドルとリボンや花で何かクリスマスプレゼントを作っていた(にばれないように作っていた)

 も何かプレゼントを用意しているようであった。


 クリスマスの日が、待ち遠しいのはみんな同じだった。



 ほとんどの生徒が帰ってしまったスリザリン寮の談話室、暖炉の前のいすに座っているが話すのはクリスマスのこと。


 「僕の家ではクリスマスを盛大に祝うことはあまりなかったな。人里はなれたところにすんでいるから友達からのクリスマスプレゼントなんてなかったし。」


 「へぇ…我が家は大家族だからね、毎年兄上や姉上から贈り物が届くよ。父上や母上もいいものを送ってくれる。」


 「そういうのも楽しいよね。僕の母上は、僕にプレゼントの中身を当てさせるんだ。ちゃんと当たってないとくれないんだよ。」


 「…それで、はちゃんと当てることができるのかい?」


 「ああ。僕だって星見の端くれだもの。なんとなくわかるんだよね。まあ、前日に夜空を眺めるのは忘れないけど。」


 暖炉の前は心地よくて、俺はうとうとしながら会話を聞いていた。







 そのうち、が部屋に戻るって言い出したので、大きなあくびをひとつしてからの後について部屋に戻って寝た。


















































 翌日はクリスマスだった。

 朝は凍えるような寒さだったが俺はあまり感じなかった。

 ただ、いつもと違う感覚。

 うっすらと目を明けると、俺の横にの姿はなく、その代わりに宛てられたプレゼントが大量に積んであった。

 なんだ、これは。

 はどこだ?もう起きているのか?

 顔を上げて辺りを見回したけどの姿はなかった。

 びっくりして起き上がったら、の呆れた顔が目の前にあった。


 「やあ、。起きたかい?……をどうにかしてくれないか?」


 すでに着替えているところを見ると、低血圧のが今日は珍しく朝早く起きたようである。

 首をかしげると、は上を指差した。

 そこには宙に浮いて眠るの姿。

 掛布も一緒に浮いているので、寒さには問題ないだろうが、なかなかおかしい格好だった。


 の体は淡く光り輝いていて、当分降りる気配はなさそうだった。


 なんとなく、が抱いている掛布を引っ張ってみた。



 「……何?もう朝なの?」


 はその場で起き上がるとボーっとしながら掛布をたたんだ。


 「…、自分の状況がわかっているか?」


 「ん?、どこにいるの?」


 「…僕の声がするほうを見てみろ。」


 に言われたとおり、のいるほうを見て、ぎょっとした。でもすぐに笑顔になった。


 「ん〜…浮いてる……」


 空中で宙返りを何度も行いながらは空中の散歩を楽しんでいた。

 
 「…降りてこいよ。そうやってふわふわ浮いていられると結構目障りだ。」


 「……でも、どうやったら降りられると思う?」


 のほほんとしていた。

 それから、ポン、と手をたたくと自分のベッドの足元とベッドの上に置かれたプレゼントの山を指差した。


 「ねぇ、。お願いがあるんだけど。」


 「何だ?」


 「僕宛のプレゼントの山の中に真っ黒い箱があると思うんだ。送り主不明の……それとってもらえる?」


 「ああ、いいさ。それをとることで地上に戻ってこられるのならな。」


 はしばらくごそごそとプレゼントをあさっていたが、やがて見つけた黒い箱をに投げて渡した。


 「ありがと。ええと……ほら、あった。僕の勘はよく当たるんだ。」


 笑顔でそういって、何かを取り出した。


























 が渡してくれたのは黒い箱。送り主不明の黒い箱。

 様 と書かれた文字は普段見慣れている文字。

 おそらくは代筆なのだろう。

 包装紙をきれいに開けて中の箱からブレスレッドを取り出した。

 銀色で少し僕の腕には大きいブレスレッド。

 宝石がちりばめられていて、蛇の模様になっている。


 僕の体がこうやって宙に浮いているのは、魔力が僕の体に収まりきらなかった証拠だ。

 この小さい体では僕の魔力はまだ扱えないらしい。

 これはその魔力を抑制するための装置。


 左腕にはめたら、体が放っていた淡い光が消えてゆっくりと地上に降りることができた。

 ……もうちょっと空中遊泳を楽しみたかったんだけど。



 「それは何なんだ?」


 「これ?これは…魔力抑制装置かな。」


 「…なぜ疑問系……」


 「僕にもよくわからないんだけどね、父上が送ってくださったものだと思うよ。」 


 「へぇ…」


 「とりあえず、これでよし。、プレゼントもう開けた?」


 「いや?」


 「じゃあ、開けないかい?僕、こんなにプレゼントをたくさんもらったのは初めてだよ。ちょっとうれしいな。」


 ハリーとロンとハーマイオニーからプレゼントをもらった。

 ドラコからのプレゼントは豪華な包みに入っていて目立っていた。

 それから、からももらった。銀色の指輪だった。


 「…家では、友情の証に指輪を送るんだ。僕は右手の小指にはめるから、は左手の小指にはめてくれ。」


 って言われた。なかなかきれいな指輪だった。

 シンプルなつくりだったけれど、友情の証って言われて少し照れた。


 僕はキャンドルを花束とリボンを使って装飾したものをあげた。

 キャンドルは火をつけるとほのかによい香りを放つもので、その人に一番あっているであろう香りを選んだんだけど、も気に入ってくれたみたいだった。


 それから、母上からももらった。

 母上からの包みは少し大きめで、中には母上手作りのクッキーと、色とりどりの石がたくさん入っていた。

 それは最終的には占いに関係のあるものなんだけれど、今はただの石だった。

 きっと僕がこの石を必要になるときがあると、思ったんだろう。

 母上は僕に必要なものを送ってくれた。



























とニトにも準備したんだ。」


 そういうとは俺を呼んだ。

 なかなか上等なリング式ピアスだった。

 は俺の耳の穴が開いているところ…これは昔けんかしたときにできた傷なんだけど…にそのリングをはめてくれた。

 俺が動くとそのリングも動いた。


 「なかなか、似合うじゃない。」


 それから今度はが新しい首輪を送ったニトをつれてきて、その尻尾にリボンを結んだ。

 もセンスは抜群で、よく似合っていた。


 それから、が同時に叫んだのに俺は思わず耳をふさぎたくなった。


 
「「なんだこれは?!」」


 包み自体は普通なんだけど、いかんせん中身がすごい。

 愛しいあなたへ、とか言う愛の告白カードと手作りのお菓子だったり、ほかの寮のまったく知らない生徒からのものであったりしたらしい。

 中には、開けるとき危ない雰囲気をかもし出している、いかにも、っていう感じのものもあって、開けるのをためらっていた。








 「……」



 「…………」



 「…捨てるか。


 「…そうだね。














 は他寮生からのプレゼントになんて目もくれなかったし、そのままゴミ箱へ捨てた。

 はとりあえず全部の中身をチェックして、あて先をメモしてから、あまりに危なっかしいものは処分していた。

 ……一体、どんな気持ちであんなプレゼント贈ったんだろうなぁ……

 
レースのついた白いネグリジェなんて………




































































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 クリスマスですよ、クリスマス!!
 これは楽しかった!
 クリスマスくらい楽しく行こうよ、ということでレースのネグリジェ(爆)


















































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