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十一月に入って、とても寒くなった。
俺たち動物は冬に耐えられる体毛の持ち主だから、寒さはあまり身にしみないが、やにとって寒いことは
脅威
らしい。
ホグワーツで生活している人はみな厚着になった。
「…ん〜…温かい……」
おまけには、暇があれば俺に抱きついて作業をするようになった。
くっついていると暖かいらしい。
確かに動物の体温は人よりも高いって言うけどさ……俺は少し熱い…まあ、だから我慢するんだけど。
寒さ…といえば、クディッチシーズンが到来したとが言っていた。
ももさしてクディッチに興味は持たなかったけれど、ハリーが最年少シーカーとして土曜日に初出場するとあってみんな興奮していた。
マルフォイなんかは、「みんながマットレスを持ってハリーの下を右往左往するだろうよ。」って言っていた。
ハロウィーンのトロール事件以来、ハリーたちとハーマイオニーは仲良くなった。
よく一緒に居るところを見かけるようになったし、ハーマイオニーはハリーたちの宿題の手伝いもしているらしい。
「…そういえば、。スネイプ教授の足が気になるのだが…」
「…足?ああ、四階の禁じられた廊下にいるのに噛まれたっていう…?」
「ああ。ハロウィーンの日、僕があそこに言った時点でもう足に怪我をしていたのだが……どうも、まだ治っていないようだ。足を引きずって歩いている。」
「そういえばそうだねぇ……」
その日、は薬草をいくつか調合して見事な煉り薬を作った。薬特有のにおいが部屋に充満していた。
「…こんなもんかな。」
薬が出来上がったのは夜だった。
まだ就寝時間ではなかったので、はその薬を空き瓶に入れると職員室へと向かった。
当然のごとく俺もついていく。
職員室の前では、ハリーがドアを少し開けて中をのぞいているところだった。
……あれじゃ、見つかるぞ?
中をのぞくハリーの姿はなかなか
間抜け
でがくすくす笑っているのが聞こえた。
「ポッター!!」
怒ったスネイプ教授の声が聞こえて、ハリーが何か答えていたみたいだけど、そのうちドアを
思いっきり
閉めてこっちに向かって走ってきた。
下を向いて、目をつぶって全速力で走ってきたのできっと俺たちが見えなかったんだろう。
勢いよくいつきにぶつかってきた。
あまりに早くてもよけられなかったので、二人そろってその場に倒れた。
「…痛っ……」
「…や、ハリー。職員室に何か用でもあったの?」
「あ、。ごめんぶつかっちゃって。怪我はない?」
「うん、大丈夫だよ。」
「よかった。ごめんね、見てなくて……あ、こそ、職員室に何か用でもあるの?」
「うん、スネイプ教授にちょっとね。」
「え……あ、じゃあさ、もし教授と
冷静に
話ができたら、僕の本返してもらえないかな?クディッチ今昔っていうんだけど……」
「うん、わかった。じゃあハリー、少しここで待っていてくれる?」
ハリーがうなずいたので、はにっこり笑って職員室の扉を軽くノックした。
心なしか、ハリーの顔が
紅く
なっているように見えた。
ノックを何度しても返事は返ってこなかった。
けれど、中から興味深い話し声を聞いた。
「いまいましい…」
「……」
クィレルの声がおびえているようだった。(いつもおびえたような声なのだが。)
「失礼します。」
…は返事が返ってきていないって言うのに
堂々と職員室に乗り込
……もとい、扉を開けて中にはいった。
「あ、スネイプ教授ちょうどいいところに。」
にたり
、笑顔。
黒い微笑
をたたえたの表情は、
ちょうどいいかもがいた
、という雰囲気だった。
…おおかた、さっき作った薬の効力を試そうって言うんだろう。
黒いよなぁ……
「…・。なぜ、返事をしていないのにはいってきた?」
「教授たちの話し声が聞こえたものですから、中に誰かいるって推測しました。」
それからさっき作った怪しげな薬の瓶を取り出して教授に差し出した。
「…なんだこれは。」
「特製塗り薬です。
どんな大きな獣に噛まれた傷
だって治りますよ。」
一瞬戸惑ってから、スネイプ教授はその瓶のふたを開けて匂いをかぎ、それから少し手にとって見た。
「調合はあっているな……だが、この薬は一年生に作れる代物ではないはず。」
それからをチラッと見てうなずいた。
「…ならできるのも納得がいく。」
「どうぞ、使ってやってください。あ、それから、ハリーが教授に没収された本を返してほしいって言ってましたけど。」
教授はちらりと、自分の机の上にある本を見た。
「…教授、その薬と
交換
ってどうですか?」
また笑顔。
すでに薬を自分の足に塗っていた教授はどきりとしてを見て、呆れたように言った。
…、
お前ほんといい性格してるよ
……
「持っていけ。」
「どうも、ありがとうございます。」
はクディッチの本をとると職員室を後にした。
外ではハリーがどきどきしながら待っていた。
が、はい、といってクディッチの本を渡すと、ハリーはものすごい笑顔を見せてくれた。
「ありがとう!」
でもすぐにその表情は暗くなった。
「ねぇ、。話があるんだ。」
ハリーは話してくれた。
とハリーはなるべく職員室から離れた人気のない階段に座っていた。
ハロウィーンのあの日に、スネイプがトロールを追って地下室に行かずに四階の禁じられた廊下に行ったこと。
…まあ、こっちは知ってたんだけど。
それから、スネイプが足に怪我をしていたってこと。
…だから、が
実験だ……
いや、薬をあげたんだけどね。
そして、ハリーの推測。
「僕たちが見たあの三頭犬の裏をかこうとしたんだよ!トロールをホグワーツに入れたのもきっとあいつだ。あの犬が守ってるものを狙ってるんだ……」
ハリーが
こぶしをぐっと握り締めて
力説してたけど、はのほほんと笑ってるだけだった。
「…まあ、あんまり深く関わらないほうがいいと思うけどね。」
それじゃ、といっては笑顔でハリーに手を振った。
「あ、うん。ごめんね、引き止めちゃって。」
「いいよ。それより、土曜日の試合、がんばってよ?僕スリザリンだけど、かげながら応援してるからさ。」
ありがと、ってハリーの顔がほころんだ。
も笑顔で。
それから二人はそれぞれの寮へと戻っていった。
「ハリーは浅はかな読み方しかできてないみたいだね。正直なんだなぁ……」
帰りがけにがそうつぶやくのが聞こえた。
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スネイプ教授は実験だ…(強制終了/爆死)
まあ、がやさしいってことで(爆)
ハリーとの対談、もう少し長くてもよかったかなぁ……
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